スポンジ生地には大別すると2種類になります。その区分基準は起泡性の根幹となる卵の泡立て方で、卵白と卵黄を分けてあわ立てる別立法と、同時に泡立てる共立法のふたつの製法があります。前者で作る生地をビスキュイ生地(パータ・ビスキュイ pate a biscuit )、後者で作る生地をジェノワーズ生地と呼びます。
ビスキュイとは「2度(bis)焼く(cuit)」に由来し、元来はいったん焼いたパンを薄切りにしてもう一度カリカリになるまで焼いて保存性を増し、遠洋航海のための保存食や軍隊の兵糧とした乾パンのことでしたが、転じてフランス語ではスポンジ生地のことを、英語ではビスケットを意味するようになった。
別立法のパータ・ビスキュイは、卵白を全卵から分けて泡立てメレンゲをつくると卵黄の脂質で泡の組織が破壊されるのを防ぐことができるので、全卵をあわ立てるよりはるかに多量の空気を含ませることができ、これがスポンジ生地の基本製法となる。
生地の基本構造は、卵黄と砂糖が練り合わさったものの中に小麦粉が分散し、そこに卵白によるメレンゲの気泡が保持されている形となる。卵白に砂糖を加えながらしっかりと角が立つまで泡立てたメレンゲと、砂糖を加えて白っぽくなるまで撹拌した卵黄を気泡を壊さないようにあわせ、そこに小麦粉を混ぜ込んで焼き上げる。焼く前の生地は流動性に乏しいため、絞り袋でクッキングペーパーなどの上に絞り出して焼くことが多い。
