太宰、三島らが愛した老舗洋菓子店「柏水堂」が…
3日午前4時ごろ、東京都千代田区神田神保町の洋菓子店「柏水堂(はくすいどう)」のビルから出火、4階の寝室15平方メートルが焼けた。焼け跡から住人の柏水堂会長、吉田奎子(けいこ)さん(86)が搬送されたが、全身やけどでまもなく死亡が確認された。警視庁神田署は寝室内の電気ストーブが出火元とみている。
柏水堂は昭和4年創業で、東京メトロ神保町駅前の老舗洋菓子店として知られていた。
■太宰、三島ら愛した美味
太宰治や三島由紀夫ら文豪を始め、作家の向田邦子、映画監督の小津安二郎もその洋菓子の味を愛し、足を運んだ。「神保町でケーキといえば柏水堂」。オーナーの吉田奎子さんは昭和4年創業の老舗を十数人の従業員たちと守り続けてきた。
タウン誌「おさんぽ神保町」編集長の石川恵子さんによると、当初は神保町交差点近くでフランス料理店として創業。洋菓子が人気となり、47年、現在の場所に移転した際に洋菓子店となった。当時、周辺には和菓子店が多く、洋菓子店は珍しい存在。店内のステンドグラスも人目を引いた。
吉田さんは老舗の看板にあぐらをかかず、味を探求した。近隣住民によると、40年以上前に訪れた英国で食べたイチジクのケーキの味が忘れられず、自らの店に取り入れた。犬をかたどった愛らしいケーキ「プードルケーキ」は名物商品に。
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