「お肉は繊細。強火ではいじけてしまってステーキが硬くなりますよ」。独自の調理法を実演しながら、家庭向けのキッチンで手際よく料理を仕上げていく。生徒は調理はせず、完成した食事を完璧(かんぺき)にコーディネートされた食卓でワインと楽しむ。北鎌倉の料理教室「ボアメーザ」は開業以来、1人で調理するデモンストレーション方式を貫く。「伝えたいことが沢山あるし、私が仕上げた味を体験してほしい」からだ。
法曹界入りをめざした学生生活を送り、料理をすることはなかった。司法試験に落ちて商社に就職、職場結婚し、海外赴任する夫とともに戦時下のイラク・バグダッドへ。「ジャガイモ1個が貴重品という時期。駐在員が集まるホームパーティーで、先輩社員の奥さんたちは料理で皆を喜ばせていました。行くまでは普通の主婦になりたくないと思っていたけれど、その様子を見て『プロの主婦になろう』と思ったんです」
バグダッドで食事会を開いた時、作った酢豚の豚肉に火が通っていなかった。「慌てて甘酢アンを絡めた酢豚を油の中に入れてしまい、一瞬で真っ黒。お客さんに、これじゃあ炭豚だ、と笑われました」。先輩主婦から料理の基本と、一手間をかける大切さを教わった。どう調理すれば材料を生かせるかを考える習慣も身に付いたという。
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平成9年には南米へ赴任する夫に子供2人と同行、6年を過ごし、日本の食文化の豊かさを改めて知った。
引用元 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090112-00000032-san-soci
