宮城県大崎市三本木で農業をしながら「雁の里親友の会」の事務局長を務める池内俊雄さん(48)。農薬や化学肥料をほとんど使わずに栽培したひとめぼれを「ヒシクイ米」と名付け、会員らに頒布し、喜ばれている。ヒシクイは渡り鳥のガン類の仲間。米の名には忘れられないヒシクイとの出会い体験が秘められている。【小原博人】
池内さんは埼玉県出身。青山学院大在学中は古典文学を専攻し、日本人の死生観や季節感を学ぶうち、ガンの観察にのめり込んだ。80年代から全国組織として「里親友の会」の事務を担当。宮城に移り住んで、野鳥の生態調査とともに農業にも取り組んでいる。
そんな中、97年11月。池内さんは我が家近くの自分の田で、白地に黒文字の標識首輪をしたヒシクイが仲間と採餌しているのを見つけた。双眼鏡などで確認した刻印は「3J3」。池内さんらが前年、ロシアのカムチャツカ半島に渡り、標識をつけたうちの1羽だった。その鳥が2000キロ離れた、点でしかない自分の田に下り、草の芽を食べていた。
「ロシア科学アカデミー」の極東支部と「日本雁を保護する会」など2国共同の渡りルートの経年調査に加わり体験した奇跡のような出会い。池内さんは「わが田に来てくれて無上の喜び。ここでずっと餌を採れるよう、田んぼを守るぞ」と思った。
引用元 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090116-00000000-maiall-soci
