「また、おせち? もう飽きたよ~」。子供のころ、毎年正月の食卓には、重箱に入ったおせち料理が並びました。黒豆、かまぼこ、煮物、有頭エビ、数の子、くりきんとん…。中身は毎年同じ。両親は、燗酒をちびちび飲みながら、おいしそうにつついていましたが、子供心においしいと感じず、正直「勘弁してほしいな」といつも思っていました。
苦痛だったのは、そんなおせち料理が、3日連続で食卓の主役を飾ることでした。元旦は我慢するものの、2日には冒頭の言葉を発して母親に「普通のおかずを作って」と懇願したものでした。
時は経て、家庭を持ち、妻が作るおせち料理に対しても当初は同じ気持ちでしたが、30歳を過ぎたここ数年、あれほど毛嫌いしていたおせち料理を楽しみにしている自分に気付きました。好物が変わったこともありますが、食べないと新年が始まらないような気がするのです。「味が薄い」など、料理のできばえを話題に、にぎやかに進む正月の風景…。おせち料理が家族の結びつきを支えている面もあるとも感じました。
「おれもオッサンになったのかなあ」と、しみじみ感じつつ、おせち料理という伝統を日本人が長年にわたって受け継いできた理由が分かったような気がしました。
でも、6歳の長男は言いました。「また、おせち? カレー食べたい~」(龍)
引用元 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090118-00000057-san-soci
